クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ
「あのっ、あのっ……!!」
もう、死んでしまいそう。
呼吸をすれば、部長が入ってくるみたいで。
「ん?」
短い返事、しないで……これ以上、好きなものを詰め込まれたら、爆発するんじゃないかってくらい身体が熱い。
「……お前、風邪ひいてる?」
急に大きな掌が額を覆い、抱きしめられていたはずがパッと離れた。
もう片方の手で彼は自分の額に触れている。
「熱、計れ」
背中にあった棚から体温計を出した部長は、私に手渡して出て行った。
控えめな電子音が、計測完了を告げた。
言われてみれば、なんとなく熱いと思ってた。厚着してる上に、電車の暖房が効きすぎてるからかなって思ってたけれど。
「着替えて、寝てろ」
38度直前の数字を覗き込んできた部長は、私を横目にキッチンに立った。