クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ

 台拭きを洗いに、廊下の突き当たりにひっそりとある給湯室へ。
 普段はビル清掃員が使う空間は、必要最低限という言葉がお似合いの簡素な設備しかない。

 ぬるま湯で汚れを落とし、物干しに広げて掛けてから壁のスイッチで電気を消した。



 さーて、今日も頑張りますかねぇ……って、誰よ。
 こんな朝から非常階段で密会する男女は。弊社は社内恋愛禁止なんですけど?!


 向こうに気づかれたら面倒だ。忍び足で廊下を進み、片手で顔を隠しながら壁伝いにデスクを目指す。



「瀬織さん、何をされているんですか?」

 自販機帰りと思われる千堂部長が、滑稽な動きをしている私を見て笑っている。
 今は、笑われてしまったことよりも、密会している2人に気づかれてしまったことが問題だ。しかも、部長はご丁寧に名前まで……後で呼び出されて、変なお願いをされたりしないだろうか。



「特に、何も……していません。失礼いたします」

 そそくさと部長の横をすり抜け、自席に座って頭を抱えた。


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