クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ
「……結衣、寝てる?」
返事をするか迷った刹那のうちに、彼は私の髪を撫でてくれた。
囁く声と、遠慮がちに私の頬に触れた彼の手が愛しい。
心地よさに身を委ね、穏やかにこのまま夢に堕ちていきたい。
「……俺、恋人代わりはうまくやれてたか?」
額に触れたやわらかさは、彼の唇。
代わりなんかじゃない私の想いには、気づいているのだろうか。
唇が重ねられて思わずまぶたを開けると、彼の顔が常夜灯の灯りを背負っている。
彼にとっては過去になった関係が、まだ現在進行形だと気づかれないよう、私はまた目を閉じた。