クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ
おもむろに部長はバッグを足元に置き、私を振り返った。
両手をコートのポケットに入れて、じわじわと追い詰めるように近づいてくる。
「お前は、クリスマスイヴも正月も、バレンタインも今日も、どうして俺を無視する?」
エレベーターの壁に背をつけていた私は、とうとう彼の両腕に囲まれてしまった。
「無視なんかしてないですよ、私」
「したから言ってるんだろ」
心臓がけたたましく鳴っているけれど、強がってしまった。こんなことされたって平気だって、無理して部長の瞳から目をそらさないように意識してしまう。
「今日に限って、なんでこんなことするんですか?」
「気づくまで待ってやってたんだ」
意地悪に微笑む彼に射抜かれたのは、これで何度目だろう。
部長は囲っていた腕の片方を崩し、私の肩に顔を乗せた。
「でも、お前が鈍すぎてさすがに限界。……だから、今夜は俺を構って」
耳元で話す彼の声と吐息に、恋がきゅんと鳴く。
2人になるといつだって強気で俺様で時々意地悪なのに、構ってなんて言われたら、心ごと鷲掴みにされた気分だ。