クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ
「あ、見つけた!」
宿泊棟の階段を上ろうとしていた俺を見つけた佳乃の声。
ここでつかまってなるものかと、一気に駆け上がって通路を進む。
反対側に行けば、俺の部屋。
向かっているのは、瀬織の部屋がある方向。
もし部屋にいなかったら、諦めて佳乃たちと飲み直すしかない。地獄だけど。
ドアを引いたら、すんなり開いた。随分と不用心だな。
振り返ると、佳乃たちが階段を上ってきた姿が見えて、躊躇なく入った。
暗闇に慣れていない視界に、ぼんやりと足元に浮かぶ白の中へ飛び込んだ。
「静かにして。誰かが来ても、俺はいないことにして」
眠っていたのか起きていたのか分からないけれど、突然のことに狼狽えている彼女の腰に手を回す。
「もうちょっと、こっち来て」
帯の結び目が当たって、浴衣姿でいるのだと分かった。
「あのっ」
あまりにも細い彼女の声が、胸元から香るように聞こえてきた。