クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ

「暗さに目が慣れてきたな……」

 1人で泊まるには十分そうな個室。俺が割り振られた部屋と、ほぼ同じ間取りだろう。




「あの、千堂部長は酔っていらっしゃるんですよね?」

「……まぁ、少しは」

「酔った勢いで、ご自分の部屋と間違われただけですよね?」

「いや、ここが瀬織さんの部屋だって分かってたから来たんだけど」


 って言ったら、どんな顔を見せてくれるの?

 少しは、異性だって意識する?



 胡坐を崩し、腰を上げて前のめりになって覗き込む彼女の顔。



「ずっと思ってたんだけど、見えにくくない?」

 触れた黒髪を指先で掬ったら、滑らかに滑り落ちていった。


「見えてますから大丈夫です。これがちょうどいいんです。どうぞお構いなく」

「あ、そう」

「キス、してごめん」

「……謝るくらいなら、しないでください」

「だから、ごめんって」

「社内恋愛は禁止なんですよ?!」


 そんなことは分かってるよ。
 だけど、好きになったら仕方ないってことくらい、お前も知ってるだろ?


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