クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ

 手を突いて、顔を隠したままの瀬織を覗き込む。


 見えないんだ。
 どれだけ近くにいても、いま何を考えて想ってるのか……。

 なんでも見通してるようなことを言うのは、ただのプライド。

 好きな女の前で、格好つけたくなるだけ。



「っ、な、なんですか」

「あのな、思い出なんかにいつまでも負けてんじゃねーよ」



 だから、柏原なんかのために落ち込んでほしくない。

 泣いたり笑ったり、色々な感情をそのままぶつけてほしいんだ。



 きっと、幸せにするから。
 こんなやり方が正しいなんて思わないけど。



「部長命令。旅行終わったら俺の家で暮らせ」



 ぽかんとしている彼女の唇を食べてしまいたくなる。


 知ったばかりの柔らかくてみずみずしい果実のような……。



 ――俺、いつからこんなにダメなやつになったんだろう。
 もっと冷めてて、仕事ばかりしてきたはずなのに。


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