クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ
「お疲れさま」
「お疲れ……さまです」
まさに今、なんとか誤魔化そうとしていたのに、部長が話しかけてきたせいで動揺を隠せなくなる。
「さっき、お願いしたい業務をメールしたんだけど、見てくれた?」
「すみません、こっちに集中していたので……」
目の前でメールを開けと言う千堂部長の視線に負けて、画面を切り替えた。こんなことになるとは思っていなかったけれど、未読にしておいてよかったと、ほんの数分前の私を褒め称える。
「どんな感じかな、これ」
断る理由が見つからず、静かに頷きながら「はい」とだけ答える。
「大体、どれくらいになるか分かったら教えてください」
「10分後くらいです」
「じゃあ、それでお願いしますね」
ぶつかっていた部長の手が遠退き、残された付箋に慌ててマウスを乗せた。