クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ

「あっ!!」

「え、なに?!」

 突然大きな声を出した私に驚いて、部長が一瞬だけ私に視線を向けた。


「すみません……」

「何かあった?」

「いえ、ちょっと思い出したことがあって」


 部長の誘いを断れなくて今に至るけど、先約があったことを忘れていた。ちゃんと断らないと……。

 携帯を開けば、案の定柏原さんからのメッセージが届いている。触れることすら躊躇する携帯の画面に指先を落としたら、吹き出しで囲まれた文字が飛び込んできた。



『お疲れさま。席に行ったらいなかったけど、今どこ?外でランチ?』


 どうしよう、なんて返事をしたらいい?
 外でランチです、千堂部長と……なんて言えるわけがない。せめて外にいるくらいは言っても支障ないよね?


「大丈夫?」

「はい、友達から連絡が来てただけで」

 それならいいけど、と流してくれるあたり、千堂部長は大人だ。
 柏原さんだったら、口を割るまで話を変えてくれないだろう。


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