クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ
千堂部長に任されたのは、社員旅行の手続きだけではない。
新しい企画を始めるにあたり、次のプロジェクトにメインとして参加してほしいと言われたのだ。
正直言って、佳乃さんよりは自信がある。だけど、それは資料作りや出来上がった企画を進める裏方的役割ならの話。どんな商品を作るか、誰をターゲットにするか、どれくらい利益が見込めるのか……そういうやりとりに本格的に参加したことはなかった。
「瀬織さん」
席に戻るなり、佳乃さんが詰め寄ってきた。
「なにか、間違いでもありましたか?」
「……あまり調子に乗らないで」
理由が解らず文句をつけられ、きょとんとする私の視線の先に千堂部長がいる。ランチから戻ってきたばかりの千堂部長は、私と佳乃さんの雰囲気に気づいた様子だ。
「ここは仕事をするところ。相手に文句を言う時間があるなら、やることを早く済ませてください」
部長に冷静に注意された佳乃さんは、下唇を噛みながら悔しそうに席に戻った。