クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ

「まず、自分が欲しいモノばかりを企画しようとしないこと。センスを信じるのは大切だけど、周りの意見を受け入れない頑なさは消した方がいい。イイものはいい、そうじゃないものは捨てる。そうやって積み上げていかないと、いつまで経っても企画のゴールは見えない」

 千堂部長は、企画案の出し方から意識の持ち方までレクチャーしてくれた。他にやり方があるのは分かってるけど、これがきっと今はベストだと思うからって笑ってくれて、張りつめるほど真剣な空気を解したりしながら。



「最後に、今日の本題。どうして瀬織さんにお願いしたか。それは、まだ何にも染まっていないから。今まで企画の経験があれば、それに沿って考えてしまったりする。自分が通したかった案を少し捻ってみたりする。それって新しいかと言われたらそうじゃない。瀬織さんにできる、真新しい何かを期待しています」



 何にも染まっていない私にできる、真新しい何か。


 ふと浮かんだ光景を、箇条書きにメモを取っていく時間は、頭が今までにない覚醒をしたような感覚がする。

 何にも染まっていない私だから、これがいいと思った。
 真新しいかはわからないけど、この会社の商品にはなかったはず。



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