クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ

「いえ、特に何も……」

 そう、と返され、ホッとする。
 まさか見惚れていたなんて言えないし、それに代わる会話は思いついていない。

 千堂部長と仲良く話そうなんて、私には数年早い。
 それに、自ら日陰の地味系を選んだからには、ここで目立ってはならないのだ。


 本当は、地味とは無縁の生活をしてきたけれど、女子の妬みや恋愛のゴタゴタに巻き込まれて仕事に影響するくらいなら、平日は日当たりの悪いポジションを選ぶだけ。
 週末はのびのびできるんだから、これも仕事のうちだ。


 今週末は、月に1度はある異業種交流。つまり、富裕層が住むマンションのラウンジへ、友人と一緒に顔を出すのだ。
 金曜の夜は、家の近くのネイルサロンで指先を飾るのを忘れてはならない。今回はいい相手がいそうだって言ってたし、少し気合を入れていくくらいがいいかもしれない。


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