マイノリティーな彼との恋愛法


可愛さ、無邪気さ、真剣モードへのギャップ、熱苦しいほどの情熱……。
どれをとっても、私が最近知り合った年下男子には当てはまらない。

むしろ基本的にあまり笑わないし、いつも低めのテンションだからギャップとかないし、情熱なんて言葉はヤツの辞書にはたぶん、無い。


神宮寺渉という男を理解できる女性なんてこの世にいるのだろうか?


嫌だな、そんな男とまた食事に行くっていうのは。
出来ることなら胸キュンするような相手と食事したい。

また何かの会話がキッカケで、私の方がムキーッ!って怒ってしまう可能性も無きにしもあらずだ。
そうならないためにも、飲み代のお釣りはそのまま受け取ってほしかったのに。

枯れ切ったプライベートをほんの少し潤してくれるような爽やかさも、彼には無い。


これから先、きっとまた彼とは食事に行くことになるはずだ。
その時に怒らずに冷静でいられるようにするにはどうしたらいいのか…………。


そこでハッと気がついた。
そうだ、無になろう。

仏様のような穏やかな心で、ヤツと話す時は無の境地に立って静かに相槌を打つ。これならどうにか食事の間は我慢できるような気がした。


「よし、いつでもドンと来い!」


密かに決意して、いつくるのかそれすらも分からない神宮寺くんからの連絡を待つことにした。







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