マイノリティーな彼との恋愛法


そして、結局神宮寺くんから連絡が来たのは金曜日の夜だった。
連絡を受けた時、私はたまたま駅ビルのファッションフロアで買い物をしていて、これといった予定もなくブラブラしているだけだった。


『誰かと会ってるなら今日じゃなくてもいいです』


と、棒読みの言葉を言われたけれど。
残念ながら誰とも会っていないので、彼と会うことが出来る。


「1人だから今夜は空いてるよ。どこに行けばいい?なに食べたい?」

『……酔いどれ都』

「えー!また?他にどこか無いわけ?」

『……酔いどれ都』

「だから、この間も行ったじゃない?」

『……酔いどれ都』


バカのひとつ覚えってこのことなんだろうな。いや、たぶん実際のところ頭は私なんかよりもヤツの方がいいに決まってるけど。

チッと聞こえるように舌打ちして、今から向かうからと言って電話を切った。

まぁ確かにあそこのお店は料理は美味しかった。
彼がすすめてくれた日本酒も、まだ飲んでないし今日は飲んでみるか。


無になると決めたのだから、それで彼と接すればいいのだ。


買い物した紙袋を2つほど下げて、指定されたお店へと向かった。


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