ケダモノ、148円ナリ
明日実の脳裏に、楽しげに芸をする貴継の父とキャンディさんが鮮やかに浮かんでいた。
祈るように手を合わせ、明日実は言う。
「私、また行きます。
軽やかに輪っかを受け止めているお父様に会いに」
「うちの父親は投げてる方だが……」
そんなに呑んだか? とてびねりのグラスの中を確認している。
「でも、水族館にも、酒蔵にも一緒に行くなんて、私、ずっと貴継さん居るみたいですね」
「居ちゃ悪いのか」
いえ、と言いながら、明日実はソファの肘掛に頭を預けた。
「いいと思います。
なにかこう、もう貴方が居ない毎日が想像できないんです」
頭の上に立った貴継が笑う。
「それは随分と熱烈な愛の告白だな……」
「違います」
と言いながら、明日実は目を閉じた。
瞼が重くて開けていられなかったからだ。
「ただ、なんだかずっと貴方とは一緒に居そうな気がしているだけです」
そう弁解したはずなのだが、
「……うん」
と貴継は余計笑ったようだった。
祈るように手を合わせ、明日実は言う。
「私、また行きます。
軽やかに輪っかを受け止めているお父様に会いに」
「うちの父親は投げてる方だが……」
そんなに呑んだか? とてびねりのグラスの中を確認している。
「でも、水族館にも、酒蔵にも一緒に行くなんて、私、ずっと貴継さん居るみたいですね」
「居ちゃ悪いのか」
いえ、と言いながら、明日実はソファの肘掛に頭を預けた。
「いいと思います。
なにかこう、もう貴方が居ない毎日が想像できないんです」
頭の上に立った貴継が笑う。
「それは随分と熱烈な愛の告白だな……」
「違います」
と言いながら、明日実は目を閉じた。
瞼が重くて開けていられなかったからだ。
「ただ、なんだかずっと貴方とは一緒に居そうな気がしているだけです」
そう弁解したはずなのだが、
「……うん」
と貴継は余計笑ったようだった。