ケダモノ、148円ナリ
「鏡花さんに聞いたわ。
明日実さんは貴方の妹だそうじゃないの」
毛布を片付けたリビンクのソファに座るなり、真冬は言い出した。
その前のラグに顕人は正座させられ、ぐずぐずとなにか言っている。
「……まだ確かめたわけじゃ」
「でも、その確率が高いから諦めようとしてたんでしょ」
と真冬は冷たく言い放つ。
ひとつ溜息をつき、真冬は言った。
「私も貴方のことはそんなに好きじゃない。
でも、貴方との結婚はこのまま進めてみようと思うの」
顕人が惑いながらも、顔を上げる。
「やっぱり、破談にされたら困るわ。
私の名前に傷がつくもの」
ねえ、とお茶を運んできた明日実を見て真冬は言う。
同じ女として、同意を求めてきたのだろうが、どうも頷きづらいな、と思っていた。
おにいさまはしょげかえってらっしゃるし、と同情的に美人教師に叱られている男子高校生のような顕人を見る。