ケダモノ、148円ナリ
「俺はずっと明日実を見てたんだ。
 なんで途中から現れた、お前みたいなわけのわからない奴が明日実を持っていくっ!

 明日実、一体、こいつの何処がいいっ?」
と貴継を指差し、顕人は訊いてくる。

 ええっ?
 何処がいいとか言われましても、と思っていると、

「ありすぎて答えられないようだぞ」
と貴継が勝手に答えてしまう。

「いえいえ。
 そんなことはないんですが」
と言うと、貴継が、なにっ? と見る。

「えーと。
 そうですね。

 いいとこと言うか。
 まあ、つい、気になってしまうところならありますね。

 ……頼りないところとか」
と言うと、今度は、貴継が、はあっ? と立ち上がってきた。

「俺の何処が頼りないっ」

「ああ、いえ。
 普段はもちろん、なんでも出来るし、上司としても、同居人としても、申し分ないかな、と思うんですが。

 時折、考えなしに暴走されるというか。

 専務になられるというお話もそうですが。

 浮足立っておられるところもあるようなので、見ていて、ちょっと不安というか。

 目が離せないというか」

 ものすごい殺気を真横から感じながらも明日実は言った。
< 318 / 375 >

この作品をシェア

pagetop