ケダモノ、148円ナリ
 




「俺はケダモノで、お前はケダモノを148円で買った女だ。
 それでいいじゃないか。

 ……148円払えよ」

「……なんでですか」

 つまらない寝物語を始める貴継に、明日実は顔をしかめた。

「そうだ。
 今日、あの高校生の女の子たちと話しましたよ」

 貴継の頭を胸に抱きながら、明日実は笑う。

「私と貴継さんみたいな関係が、将来の理想だそうです。

 ……どうかと思いますが、でも、子どもたちが明るい未来を思い描けるような大人になりたいなーとは思いました」

 そうか、と顔を上げた貴継が笑って言った。

「じゃあ、まず、俺たちが幸せな未来を描かないとな」
と言いながら、明日実の側に横になり、腕枕をしてくれる。

「これ、しびれませんか?
 長くやってると」

「しびれるな……。
 だが、男はそういうの、顔には出さないものだ」

「じゃあ、私がペシペシしてあげますね。
 その方が早く治るって言いますよ」
とその自分のものとは全然違う筋肉質な腕をつかんで言うと、

「鬼か」
と貴継が顔をしかめ、明日実は笑った。





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