ケダモノ、148円ナリ
小声で周りの同期に返そうとした明日実の言葉を遮るように貴継が言う。
「まだ何処にしようか迷ってる、ちょっと困った人材という意味だ」
マイク越しのその声に、みんなが、どっと笑う。
待て、こら。
困った人が人事部付になるわけじゃないだろうが、と思ったが、人目があるので、強く反論できない。
安田課長を見ると、困ったような顔で、こちらを見て笑っている。
そのあと、社長の挨拶があり、事実上、今日が入社式っぽいな、と思っていると、そのまま、それぞれの部署に別れることになった。
「じゃあ、明日実、あとでね」
と美典たちに手を振られ、
「あ、うん」
と答える。
わ、私は何処に行けば……? と思っていると、安田課長が、
「とりあえず、うちに来てくれるかな」
と言ってきた。
「はっ、はいっ」
とかしこまったとき、貴継が近づいてきた。
「た……」
貴継さん、と思わず名前で呼びかけ、気がついた。
「まだ何処にしようか迷ってる、ちょっと困った人材という意味だ」
マイク越しのその声に、みんなが、どっと笑う。
待て、こら。
困った人が人事部付になるわけじゃないだろうが、と思ったが、人目があるので、強く反論できない。
安田課長を見ると、困ったような顔で、こちらを見て笑っている。
そのあと、社長の挨拶があり、事実上、今日が入社式っぽいな、と思っていると、そのまま、それぞれの部署に別れることになった。
「じゃあ、明日実、あとでね」
と美典たちに手を振られ、
「あ、うん」
と答える。
わ、私は何処に行けば……? と思っていると、安田課長が、
「とりあえず、うちに来てくれるかな」
と言ってきた。
「はっ、はいっ」
とかしこまったとき、貴継が近づいてきた。
「た……」
貴継さん、と思わず名前で呼びかけ、気がついた。