イジワル副社長と秘密のロマンス
「あっ……やぁっん……樹、くんっ……」
与えられる甘美な深みに、ゆっくりと堕ちていく。
好き。大好き。愛してる。
交わす言葉。高まる気持ち。吐息交じりの嬌声。シーツが擦れる音。
舌先が肌を這い、指先が蜜をすくい、重なり合う音が鼓膜を揺らし、肌が朱に染まっていく。
ふたりだけの世界の中で深く繋がりあう。
無我夢中で、私たちは互いの熱を求め合った。
+ + +
指先を触れられた感触に、私は意識を浮上させる。
瞳を開ければ、寄り添いながら眠りについたはずの樹君が、上半身を起こしてこちらを見降ろしていた。
上半身は裸のままだから、薄明りの中に白い肌が浮かびあがってみえ、綺麗だなと見惚れてしまった。
「ごめん。起こした」
「平気だけど……樹君、眠れないの?」
ぼんやりとしながら問いかけると、樹君が掴んでいた私の左手を離した。
「……うん。千花の寝相が悪くて」
返ってきた言葉に、一気に目が覚めてしまった。
「ごっ、ごめん! もしかして私、樹君を蹴っ飛ばしたりとか……しちゃった?」
一週間分の仕事の疲れが出て、しかも結構激しく愛し合った金曜の夜。
普通だったらぐっすり眠れるだろうに、私はそれを阻害してしまうほど、寝相が悪かったのだろうか。