拾われた猫。
沖田総司はいつのまにか私の前に来ていた。
ニッと笑って、私の肩を押した。
バランスを崩して、後ろに倒れるのを肘で支えた。
その瞬間に、半開きにしてあった障子を全開にして中に飛び越えてくる。
着地すると、草履を脱いだ。
「……外で脱いでよ」
「回ってくるのがめんどくさかったんだから仕方ないでしょ」
クスクスと笑う彼は何かを企んでいるようだった。
彼は草履を持っていない方の手で私の腕を掴んで立たせた。
立ち上がってもその手は離れなかった。
「暇なんでしょ?
相手してくれる?」
自分が問い掛けたくせに返事を返す前に、掴んだまま歩き出した。