宛先は天国ですか?



それから、早野先生の地味すぎる嫌がらせが始まった。

まだ紙切れだけならなんともなかったのだが、何を急いでいるのか、早速次の家庭科の授業中にも嫌がらせをされた。


それは、わたしが必死にプリントを書いている時のことだった。

昼からというのもあり少しウトウトしてしまい、進んでいた分をうつしていた。

まあそれはウトウトしていたわたしが悪いのだが、問題はそこではない。


「じゃあ、これはどうしてだと思う?佐川さん」

名前を呼ばれて、ぱっと顔を上げた。

プリントをうつすのに一生懸命になっていたため、話をほとんど聞いていなかった。

これも、もちろんわたしが悪いわけなのだが。


「えっと、すみません、もう一回お願いします…」

そうわたしが言った瞬間に、早野先生はぷくっと頬を膨らました。



「恋にうつつを抜かしてないで、ちゃんと先生の話を聞きなさい」

まったく、となにも悪びれる様子もなくそう言ったのだ。

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