宛先は天国ですか?
そんなわたしに、将太さんは微笑ましそうな顔をして、そうですか、と呟いた。
わたしはスッとスマホをポケットにしまうと、
「じゃあ、行きましょうか」
声をかけて、将太さんを待たずさっさと歩き出した。
わたしのあとを、将太さんが慌てて追ってくる。
そうしてなんの抵抗もなしに、わたしの隣に並んで歩き始めた。
…わたしはこんなにもドキドキしてるのに、きっと将太さんは何も感じていないんだろうな。
きっと、将太さんにとってはそのへんの年下の、妹みたいな子と歩いているだけ。
わたしだけが好きで、将太さんにとってはなんでもないのかと思うと、少し寂しい気もした。
「そういえば、食事のあとはどこに行きましょうか」
ふと思い出したように言った将太さんの言葉で、わたしはハッとした。
そういえば食事したあとショッピングに行くんだっけ。