サヨナラの行方
「認めてもらおうがもらえないだろうが、気持ちは変わりません。僕は別れます」
「イヤ、許さん。
いいのか?別れると昇進は出来ないぞ」
それは、脅しだろうか。
もうそれは通用しないけど。
「いいです」
「え?」
「昇進は出来なくていいです。むしろ、会社も辞めます」
「えっ⁉イヤ、それは……」
俺の立場上、今辞められるのは困るのだろう。
でも、辞める覚悟を決めて、離婚を申し出ているのだ。
上司の娘なんだ。
それぐらいの覚悟は持っている。
これで別れられても、何もならない。
だけど、このままズルズルといくのは嫌だった。
好きでもないヤツと一緒にはいられない。
この先、ずっと1人になろうとも。