サヨナラの行方
「……料理が出来ない。べたべたくっつくだけ。上から目線で気が強い。嫌いになる理由だけど」
「料理が出来ないのは仕方ないじゃないっ」
「でも、それを頑張ろうと努力はしない。べたべたして好かれようとするぐらいなら、下手でも料理を頑張った方がいいと思うけど」
「不味いモノを食べるの?」
「好きだったら食べるだろう。作っていけば、上達するだろうし。
まぁ、もう無理だけど」
「酷くないですか?」
「別に酷くない。さっきから言っているし」
本当に疲れる。
同じことの繰り返し。
挙げ句の果てには、嫌われる理由がないだとか言い出すし。
逆に、好かれる理由がどこにあるのか知りたいぐらいだけど。
「とにかく、私は離婚しません。ここにいて下さい」