サヨナラの行方
「それって、脅迫?」
「違います。お願いです」
お願いとか言いながらも、お願いには聞こえない。
凄い威圧感があるけど。
睨み付けるように言っているんだから、お願いも何もあったもんじゃない。
「さっきも言った通り、離婚しなくても別居はするから。その上で離婚する」
「嫌です」
嫌と言われたところで、気持ちは変わらない。
俺の気持ちが変わらない以上、離婚は避けられない。
少なくとも、別居は確実だ。
それなのに、いつまで固執するつもりか。
もう、修復出来ないとこまで来ているのに。
まぁ、元々そんな仲ではないけど。
俺は、それに付き合いたくない。
時間の無駄だから。
これ以上の話し合いは意味がないと思い、何も言わず自分の部屋に戻った。