サヨナラの行方



池田にそう伝えて、役所へ向かった。

まだ悠月が必要なのかという顔をしていたけど、本当に悠月が必要なのはここから。

俺はもう、決めたから。

一切、迷いはしない。

再会してここまで一緒にいて、自分の気持ちが分かった。

嫌われていようが、何しようが伝えようと。

伝えたいと思った。



「では、こちらで承りました」



役所へ行って届けを出して、無事に手続きが終わった。

これで、晴れて独身に戻った。

自由になった。

誰かに何を言われることもない。

自分の好きに出来る。


再会した時は、何も言わずにいようと思った。

悠月の幸せだけを願おうと思った。

だけど、それは我慢でしかなかった。

近くにいるのに、手が届くところにいるのに、触れられないのは辛かった。




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