サヨナラの行方



組み敷かれていて、貫かれている最中に、そんなことを言われる。

半分上の空だったのが、バレていたらしい。



「イヤ、別に……」


「考える暇があったら、集中しろよ」


「あっ……」



今までより一層激しく腰を動かす。

それだけで、思考が止まってしまう。

だけど、頭の奥底で思う。

美人と噂の常務の娘を捕まえて、何が不満なのだろう。

自分の思った通りに事が運んだはずなのに。


こういう関係になってから、会社から真っ直ぐ家に帰っているのを見たことがない。

私の家に来る日も、時間は決まっていない。

曜日だって決まっている訳じゃない。

彼の好きな時に来て、好きな時に帰って行く。

毎日来るような時もある。




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