最後の100日~君に幸あれ~

駅前の前の通りの横断歩道の前で立ち止まる。
そこはあまり人が通らないらしく静かだった。

「ここ?」

「うん。
サエちゃん。遅くなってごめん。
勇気が出なくてこれなかった。サエちゃんのおかけで大切な親友ができたんだ。
俺、ちゃんと前に進むから…
サエちゃん……っ!」

拓磨は驚いたような顔をして辺りを見回した。

「…ありがとう…サエちゃん…。」

しばらく沈黙が続き拓磨の頬に光る一筋の線ができた。
初めてだった、拓磨は決して泣くことがなかったから。

「祐一。」

「ん?」

「サエちゃんの声が聞こえたような気がした…。
俺、ここに来てよかった。ありがとな。」

そう言って目尻に涙を溜めながら俺を見る拓磨の肩を軽く叩いた。


これで、きっと拓磨は前へと進める。
よかったな…。


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