最後の100日~君に幸あれ~


しばらく歩くと私が前に住んでいた家の前に着いた。

空き家と言う看板が立っている。


「こっち。」

奥へ入ると木に名前が書かれた物が見えてくる。

ここは私が来たくても来れなかった場所。

ルウのお墓。

ルウのことを埋めてから、私はルウに合わせる顔が無くて会いに来れなかった。

「ルウ…ごめんね。
ルウに合わせる顔がないんだ。
私のせいだから…全部私のせいだから。
会いに来れなくてごめんね」

「こいつは美奈のこと恨んでないよ。
逆に感謝してる。
愛してくれてありがとうって。」

後ろからルイが背中をさすってくれる。

「僕は美奈にこいつの想いを伝えたかった。
美奈は自分を責めないで」

「ルイ…ありがとう。
ルウの気持ちを教えてくれて…」

私は気づかないうちに涙を流していた。
ルウの名前が書いてある木の下には小さな花束が置いてある。

「ルイ…この花を置いたのはルイ?」

「僕じゃないよ。
もうすぐでくるよ。

…ほら」

ルイの声の後少し経つと小さな足音が聞こえた。
誰かが来たの?

私は後ろを振り向いた。


< 124 / 182 >

この作品をシェア

pagetop