最後の100日~君に幸あれ~

いつものように授業を受けて居るけど、何か分からないが胸騒ぎがする。

そっと時計を見ると11時50分を指していた。

授業はあとちょっと!頑張ろうっ!

と意気込みノートへ目を写した。

それと同時にガラッと物凄い音と共に、二階堂君が現れた。

「何やってるんだ君!!」

先生は突然現れた二階堂君に驚き、怒鳴っている。

二階堂君の後ろには祐君の姿があった。

どうしたんだろう。


「先生!
ちょっと奥村さん借りてくっ!」


そう言い、勢いよく私のところまで来た二階堂君に腕を引かれ教室を出た。

後ろで先生が何か叫んでいるのがわかる。

「えっ!?二階堂君どうしたの!?」

「ダメなんだって!
どうしてあんたらはそうやって他人を優先するんだよっ!」

え!?あんたら!?
どういうこと?

頭がついて行かずビックリしていると、グイッと、二階堂君に掴まれていない方の腕を引っ張られた。

「拓磨。どういうこと?ちゃんと説明して?
美奈も混乱してる」

「あいつが消えるんだよ。
12時になると…あいつが消えるんだ。」


"あいつ"が誰を指しているのかすぐに分かった。
私が今向かっているのは屋上に行く方向。

二人の手が少し緩まり私は全力で屋上まで走り出した。


ルイが消える…?
そんなわけないじゃん。

だって昨日ずっと一緒にいるって言ったのに…。

嘘だよ。二階堂君の冗談だよ。

と心の中でそう言っているのに頭は悪い方へと考えてしまう。


「ルイ…っ!!」

屋上のドアに着くと私は勢いよくドアを開けた。

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