最後の100日~君に幸あれ~

次の日になり俺は葵を呼び空き教室で気持ちを伝えた。

晴れて俺たちは恋人になった。
ルイは消えるところを見られたくないのか。

奥村さんや祐一、屋上に来そうな人へ来ないように言った。


そして、俺はすぐに屋上へ向かった。


ギィッと音を立てて扉が開く。

「あのさ、最後に聞かせて。
最後に奥村さんと話さなくていいのか?
俺はルイの意見を尊重する。」

「うん。
いいんだ。これ以上泣かせたくないから。

あ、拓磨君見て美奈だよ。
あの二人は絶対幸せになるよ。」


校門近くをよく見てみると祐一と奥村さんが登校しているところだった。
奥村さんもしかして、屋上の方を見ている?

隣でルイは手を振っている。

それも幸せそうな笑顔で。

「12時だったよな。」

「あ、うん…。
拓磨君と話すのもこれで最後かぁ。

拓磨君。本当にありがとう。
色々親切にしてくれて。」


ルイは俺に向かって頭を下げる。

「いや、俺の方こそ。
じゃ、元気でな」

そういい俺はドアを開けた。

『拓磨君も幸せになるんだよ』という声が聞こえた。
俺は片手を上げ合図し、クラスへ向かった。



クラスへ着くとすでに祐一はせきに座っていた。

「おぉ、はよ」

「ん。」

祐一と挨拶を交わし自分の席に座る。

心のどこかで本当にいいのか?と言っている自分がいる。

授業なんて頭に入って来ない。

最後に会わないで本当に後悔しないのか?

ルイは後悔しないかもしれない。でも、奥村さんは違う…。


絶対に後悔をする。



< 172 / 182 >

この作品をシェア

pagetop