最後の100日~君に幸あれ~

~ルウside~2


「ただいま。
おい、美奈、波瑠!」

その人間の声に奥の部屋から、ボロボロな人間が二人出て来た。

一人の人間の顔には白い布がたくさん巻かれて居た。
何があったのだろう。

「美奈、波瑠。
すまなかった。」

と言い僕を抱いている人間は深く頭を下げた。

何故頭を下げているのだろう。

そっと、顔に白い布を沢山巻いている人間を見た。
戸惑っているのだろうか。

怖いという感情が伝わって来た。


その後僕は顔に白い布がたくさん巻かれている人間の手によって体を洗われた。


「ニャア…」

「私の名前は美奈。
貴方の名前はルウなんてどうかな?」

ニコッと愛嬌ある顔で微笑んだミナ。

僕はその笑顔に一瞬にして救われた。

僕に名前を付けてくれるんだ。

「ニャア!」

そういい彼女の体へ擦り寄る。

「あぁ。
体濡れてるのに…ふふっ。
おてんばさんだね。
よろしくね。ルウ。」

美奈は僕の頭を撫でた。
その手はあの人間と似ている暖かくて優しい。

僕は美奈を守ることを心に誓った。

「ほら、汚れが落ちると綺麗な猫さんだね。」

僕の体を乾かした後僕の目を覗き込む。

僕は首を傾げた。


「可愛い。
ブルーの瞳綺麗ね」

両方の頬を覆い大きく撫でられた。

少しくすぐったいけど、もっと撫でて欲しい。


それが僕、ルウと美奈の出会いだった。

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