最後の100日~君に幸あれ~

彼からの忠告~10/7~


突然言われた言葉に私は戸惑った。

今朝いつものように登校していると、背後から二階堂君が現れた。

「奥村さん。
これは俺からの忠告ね。

幽霊と生身の人間の恋愛は存在しないんだよ。
奥村さんが悲しむだけ…」

そういい悲しげに目線をそらした二階堂君。
なんで二階堂君はそんな事を言うんだろう。
ルイのことは見えないはずなのに…。

「二階堂君…どういうことかな?」

「忠告だよ、忠告。
奥村さんは生きてるんだ。
だから、そんなものに囚われないで…

…俺みたいな悲しい思いさせたくないから…」

そういい二階堂君は足早に立ち去ってしまった。
どういうことなの?
悲しい思い…?
二階堂君には誰にも言えないような過去がある。
それは分かっていたこと、だけど、二階堂君のいう俺みたいな悲しい思いが分からないんだ。

二階堂君に言われた言葉が頭の中を交差しながら私は学校へ向かった。


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