最後の100日~君に幸あれ~

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「すいません!」

「…大丈夫です…」

そう一言いい立ち直った女の人を見て俺は驚いた。

前髪を伸ばし眼鏡をかけ、まるで自分の顔を隠しているかのように俯く女の人。

そして、膝が少し擦れて血が滲み出ていた。

「あ、ケガ…保健室そこだから…」

俺がぶつかってした怪我だ、女と一緒にいるのは嫌だけどしょうがない。
そう思いその女の人を保健室へ連れて行こうとした。

「別にこのくらい大丈夫。
それに、苦手なんでしょ…」

大丈夫と言う割には血が出ていて痛々しかった。

苦手って何のことを言っているのだろう。
この人前では女が嫌いというのを隠していたつもりだった。

「女…苦手なんでしょ。
私は別に貴方に興味無いので一人で大丈夫なので、じゃあ…」

そういい女の人は俺とすれ違い歩いて行ってしまった。

初めてだった面と向かって興味無いなんて言われたのは。

それから、同じクラスの奥村美奈さんということがわかった。

彼女は無表情で周りの人と関わりを持たない。

それなら、チャラい男を装えば彼女へ話しかけやすい。

そう考えその日のうちに髪を金髪に染めた。

何度も彼女へ話しかけているうちに彼女の事が好きという感情を抱くようになった。

彼女は何を抱えている。そんな気がする。

だから、俺が助けてあげたい。

そう思った。

拓磨に勧められ、ピアスをあけて、ますますチャラい男になっていったが、彼女との関係は進まなかった。

彼女と二人きりになることもないし、一方的に絡んでいる。

二人きりにでもなってしまったら、俺はどうなるのだろう。

テンパって話せなくなるかな?


そんくらい。奥村美奈さんにハマっているってことかな。

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