キミが好きなのは俺
「あーあ。本当はこの後も陽菜ちゃんと過ごせたら良かったんだけど…」
健一さんは悲しそうな顔をしながら、一呼吸おいて
「この後、かずに誘われてて…。断ったんだけど断り切れなくて・・・」
細々とした、小さな声でつぶやいた。
健一さんを包むオーラというか、空気にまで、その悲哀さがにじみでている。
「そんな、私のことは気にしないでくださいっ。」
とても悲しそうな健一さん見て、少しでも明るくなってもらえたらと、私は笑顔で答えた。
あ、そうだ。
「あの…健一さん。」
私はカバンから、昨日作ったクッキーの入った
いかにも手作りです感満載のラッピングされた袋を取り出し
への字の眉をした健一さんの顔の前に差し出した。
「これ、大したものじゃないし、美味しくないかもしれないんですけど…この前のお礼です!」