キミが好きなのは俺

すると、優くんは


「一昨日は…看病してくれて、ありがとうな。おかげで、もう元気。」



そう言うと、少し口角が上がっていた。



優しい表情をした、いつもの優くんが少し垣間見えた気がした。




「ううん、良くなって、本当に良かったよ。私も嬉しい。」


私も、いつものように笑えたわけではないけれど、微笑んで返事をした。




だけど、優くんは視線を下に落とし


「そっか。」



そう一言つぶやいただけだった。




「うん。」


やっぱり、何かが変な気がする。





会話を続けることができなくて

何か別の話を始めようとすることも、すごく躊躇してしまうような、重たい空気が漂う空間。





会話のない教室には、隣の教室から聞こえるギターやベースの音が、小さく伝わってくる。
< 282 / 395 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop