エメラルド・エンゲージ〜罪の葉陰〜

困惑で言葉を返せずにいる私に、ハルヒコ様は「実はね」と苦笑してみせた。

「兄から……トウジ兄さんから叱られてしまったんだ。
お前はリイナに対して無責任すぎる、って」


トウジ様から?

無責任……って、どういうことだろう。


「リイナは確かに優秀な<グリーン>だ、自分の役目をよく理解して、それを果たそうと務めてくれている。
だが、彼女はまだ15歳の子供だ。ただ使用人を雇うことと同じように考えてはいけない。
未成年を引き取った以上、お前は彼女の保護者としての責任を果たす義務がある。
―――兄にそう言われてね。
本当にその通りだと、ハッとしてしまったよ」


ハルヒコ様は記憶をたどるように少し目を伏せ、ため息をついた。

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