溺愛〜ラビリンス〜

鈴原 健人 side



「ハァー」


メールを送信してため息をつく。


副総長の渉にさっき起こった出来事をの報告したが、この後の展開が分かるだけに、我等が総長様の耳に報告が入った後、対応する渉が少しかわいそうだ。


翔真が総長になって間もない二年前、いきなり妹を姫にすると宣言した。 渉以外の俺達三人は正直驚いた。

翔真は女嫌いなのか、近づいて来る女を寄せ付けない。だから俺達の代では、姫は置かないまま終わるだろうと思っていた。

しかし連れて来た妹、ユズ姫(ひめ)は白い肌、美しい顔に栗色の髪を緩くカールさせて天使の様な美しい子だった。
思わず三人してガン見してしまったのを覚えている。

渉はユズ姫の存在を知っていたらしく、姫にと言い出した時も倉庫に初めて連れて来た時も驚いていなかった。
それとユズ姫を見て分かった。翔真は女嫌いなんじゃない。間近でこんな綺麗な女見ていたら、そこら辺の女見てもそりゃムリだ。一人納得した俺だった。




正式に姫となったユズ姫は毎日の様に倉庫に来る様になるが、翔真のユズ姫に対する溺愛っぷりに俺達も下の奴等も驚いたり困惑したり慣れるまで大変だった…





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