溺愛〜ラビリンス〜

三浦 柚姫 side


「…柚、俺の大事なものは昔から変わらない。」


翔兄ぃの言葉を聞きビックリする…物に固執しない翔兄ぃが大事にする物があったなんて…何だか急に苛々してしまった。


「何で今まで教えてくれなかったの!」


怒って言う。
私が怒り出した事に訳が分からない翔兄ぃは戸惑いながら聞いてくる。


「翔兄ぃは私にずーっと隠し事してたんだね?」


私は怒りをぶつけた。


翔兄ぃはしどろもどろで今まで翔兄ぃの事分かっているつもりでいたのに…胸がチクンと痛んだ。


すると渉くんが


「柚ちゃん、翔真が隠し事してたのが嫌だった?」

と聞いてきた。
心を見透かされたみたいでドキリとしたけど思った事を言った。

翔兄ぃに隠し事をされたのが悔しいから


「翔兄ぃが私に隠し事するなら、私もこれからは翔兄ぃに隠し事するから!」


と言ってみた。翔兄ぃは私の言葉に顔色を変えて


「柚…隠し事するのは許さないぞ?」


と低い声で言った。

余りの剣幕にビックリしたけどすぐに怒りが盛り上がってくる。
私が怒るといつものように翔兄ぃが謝ってくる。




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