溺愛〜ラビリンス〜

「誤解しないでね?柚の気持ちを尊重しようと思っているのよ。ただね…あなたは優しいから、こんな状態の翔真を放って、自分の気持ちのままに行動しようとしないんじゃないかと思って…」


その言葉から、お母さんは私の事を心配して言ってくれたんだって痛い程伝わってくる。


「お母さん…ありがとう。でもね…私は翔兄ぃと一緒に居たいって思ってるの。別に翔兄ぃがこんな状態になってしまったからじゃないの。昨日ゆうくんにも私の気持ちを伝えた。だからね…私は自分の気持ちのままに翔兄ぃを選らんだの。翔兄ぃがこんな状態になっちゃったのは思いもしなかったけど…翔兄ぃがどんな状態だったとしても、私は翔兄ぃを選ぶよ。だからお母さん…心配しないで?」


私の言葉を聞きながらお母さんは驚きつつも、私の決断を嬉しそうに聞いていた。私が何の迷いもなく、今この場に居る事を分かってくれたんだろう。


「…そう。柚が決めたんだったら、お母さんは応援するし、柚の気持ちを尊重するわ。翔真の母親としては…柚…ありがとう。翔真を選らんでくれて。きっと目を覚ましたら、翔真は大喜びだわね…」





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