続·地味子の仮面を外す時
Lesson3:どうして助けてくれるの?
「そんな...」

「その苦しみを、お前も味わうが...「やめて!」

な、なんですの!?

いきなりの声に、あたくしも、冬織様も、目をまんまるにして、声が聞こえた方を見た。

「杏ちゃんをいじめないで、パパ!」

「芽野...でもおまえ、こいつにいじめられたんだろう?当然の報いだ。」

「そうだけれど...だからこそ!あたしはいじめられるツラさを知っている。...もう、やめたいの...こんなツラいこと、やめよう?」


ウルウルと目に涙を溜め、芽野は冬織様を見つめている。

その目に、冬織様も何も言えなくなって、しぶしぶあたくしの前に来た。


あたくしは何をされるだろうと身構えたのですけれど...冬織様はあたくしの前に手を差し伸べた。


「...いつまでもそんな格好でいるな。立ち上がって、さっさと掃除をすることだな」

冬織様はひとつ咳払いをすると、社長室へ戻っていった。


その場に残された、あたくしと芽野。
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