ツンデレ社長の甘い求愛
「私がやります。かすみ先輩は他の仕事をしてください」
「え、でも……」
「いいですから。これは後輩がする仕事です!」
強気な彼女に押され、申し訳なく思いながらもお願いし自分の仕事に取り掛かった。
金曜日、会長の口から衝撃的な話を聞いて三日目。
いまだに整理がつかずにいた。
それというのも約束通り、週末は山本さんとカイくんとラブちゃんの散歩を共にしたわけで……。
最初はどんな顔をして会えばいいのか分からなかった。
だってなにを言われようと、どうしても私の中で社長と山本さんが同一人物だと思えなかったから。
けれど肩を並べていつもの公園へ向かう途中、何度も彼の横顔を見ては混乱するばかりだった。
相変わらずボサボサな髪と分厚い眼鏡レンズのおかげで、彼の顔を拝むことはできない。
けれど鼻筋とか、シャープな顎のラインとか……。
言われてみれば、どことなく社長に似ている気がしてしまった。
髪の毛だって社長のようにきっちりワックスでセットしたら……と思うし。
それに猫背だけれどピンと背筋を伸ばしたら、社長と同じくらい背が高そうだし。
私も私で、最初に勘違いされたまま〝長日部〟を名乗っているし、なにより山本さんと会う時は、いつも決まってオフ状態。
「え、でも……」
「いいですから。これは後輩がする仕事です!」
強気な彼女に押され、申し訳なく思いながらもお願いし自分の仕事に取り掛かった。
金曜日、会長の口から衝撃的な話を聞いて三日目。
いまだに整理がつかずにいた。
それというのも約束通り、週末は山本さんとカイくんとラブちゃんの散歩を共にしたわけで……。
最初はどんな顔をして会えばいいのか分からなかった。
だってなにを言われようと、どうしても私の中で社長と山本さんが同一人物だと思えなかったから。
けれど肩を並べていつもの公園へ向かう途中、何度も彼の横顔を見ては混乱するばかりだった。
相変わらずボサボサな髪と分厚い眼鏡レンズのおかげで、彼の顔を拝むことはできない。
けれど鼻筋とか、シャープな顎のラインとか……。
言われてみれば、どことなく社長に似ている気がしてしまった。
髪の毛だって社長のようにきっちりワックスでセットしたら……と思うし。
それに猫背だけれどピンと背筋を伸ばしたら、社長と同じくらい背が高そうだし。
私も私で、最初に勘違いされたまま〝長日部〟を名乗っているし、なにより山本さんと会う時は、いつも決まってオフ状態。