ツンデレ社長の甘い求愛
いや、きっとそうだよね。でなければ私のことをこんな風に抱きしめたりしないはず。


どうにか彼の腕の中から抜け出そうともがくものの、その度に逃がさないと言わんばかりに強い力で抱きしめられていく。

この腕の中から抜け出すことは、不可能かもしれない。


本当にどうしよう、これ。

途方に暮れる間も、頭上からは社長の規則正しい寝息が聞こえてくる。


今の状況のまま社長が目覚めたらどうしようとか、このままでは心臓が持たなそうとか……。色々考えてしまうけれど、本音を言えばできることなら、このままでいたいと願ってしまっている。


それに社長は酔っているし! 記憶にないだろうし……。

そう思うと両腕はゆっくりと彼の背中へと向かっていく。


覚えていないのなら、少しだけ――いいよね?

ギュッと背中に回した腕の力を強めるとさらに密着し、彼のぬくもりに包まれていく。


次第に彼の体温に包まれて、意識がまどろんでいく。


だめ、ここで寝たら大変。

だから早くどうにかして離れないと……。

頭はそう言っているのに、心は違うことを言っている。

あと少しだけこのままでいたいと。


社長のぬくもりに包まれて、気づけば私は意識を手離していった。
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