ツンデレ社長の甘い求愛
どれくらいの時間、寝ちゃっていたんだろう。

とにかくカイくんにまずご飯あげないと。
お腹が空いたのかもしれない。


慌ててベッドから出て眼鏡を掛け、ふと時間を確認した途端、目を疑ってしまった。

「うそっ! もう十時!?」

ギョッとし駆け足で寝室を飛び出した。


そりゃカイくん鳴くに決まっているよ!

案の定リビングへいくと、ゲージの中でカイくんは吠えていた。

「ごめんね、カイくん! いまご飯用意するからね」


私の姿を見ると、カイくんは嬉しそうに吠えるものだから、ますます申し訳なくなってしまう。

急いで準備をしすぐにカイくんの前に出すと、待ってましたと言わんばかりに勢いよく食べていった。

「本当にごめんね」


ガックリ項垂れている間にカイくんは完食し、なぜか玄関に続くドアの方へいってしまった。

「どうしたの、カイくん」

後を追っていくと、カイくんはリビングから出たそうに「クゥーン」と鼻を鳴らす。
< 35 / 347 >

この作品をシェア

pagetop