ツンデレ社長の甘い求愛
「あぁ、そっか散歩だよね」

いつもだったら、もうとっくに行っている時間だし。

まずは着替えようと思い寝室に向かおうとしたとき、来客を知らせるインターホン音が鳴り響いた。


「あれ、誰だろう」

ドアホンの方へ行きモニターを見ると、そこには見覚えのない男性の姿があった。

「……はい? どちらさまでしょうか?」

通話ボタンを押して恐る恐る問いかけた瞬間、「ワンワン!」と上機嫌で吠える犬の声が聞こえてきた。


「わっ! こらラブ!」

途端に慌て出す男性は、モニターからフィールドアウトしていく。

そしてカイくんも触発されたのか鳴き始め、玄関に出たいとドアをガリガリ。


「あぁ! ちょっとカイくん! 少々おまちください!」


見知らぬ男性に犬の鳴き声。
そして昨夜聞いた話。

たぶん彼は今日隣に引っ越してきた人だろう。

わざわざ挨拶に来てくれたのかもしれない。
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