苦手な言葉レンタルします!「辞めます!」編
その日の夕方、外回りを終えて、帰社した沢木を山田課長が呼び寄せた。
「沢木君、なんとか思い留まるわけにいかんのかね?」
「そう云われましても、私の気持ちは変わりません!」

「何がそんなに不満なのかね?、同業他社と比べても、待遇は悪くないと思うがね?」
山田課長の説得に揺らぎそうな気分に襲われ、沢木はまたもポケットからあの巾着袋を取り出して握り締めた。

「お気持ち、有難うございます。申し訳ありませんが、もう自分の中では決めたことですので!」
「うむ・・・困ったなぁ・・・。それじゃ、今夜一晩じっくり考えくて、それで、また明日話そうじゃないか?」

「気持ちは変わらないと思いますが、そこまで云っていただけるのでしたら、今夜一晩考えさせて頂きます!」
「頼むよ、沢木君、君が頼りなんだからね!」
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