極上な御曹司にとろ甘に愛されています
そう考えると面白くない。

俺は顔を上げると、左手で萌の頭を掴み彼女の唇にチュッと軽くキスをした。

目をパチクリさせる萌。

「き……き……」

俺に抗議しようとしているが、不意打ちでキスをされ声にならないらしい。

「忘れ物。会社に行くと人の目があってなかなか出来ないからね」

俺は萌の目を見て微笑んだ。

「……会社でもするつもりですか!」

やっと声が出るようになった萌は、ハッと驚きの声を上げる。

おっ、なかなか鋭い指摘。

「それは会社に行ってからのお楽しみ」

愛おしげに萌の唇を指でゆっくりなぞりながらクスッと含み笑いをすると、彼女は固まった。

「……私をからかって遊ぶのは止めて下さい。恋人じゃなくてただの会社の同僚なんですから」
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