極上な御曹司にとろ甘に愛されています
「また戻ってきますから」

「そんなの信用出来ない。起きたら萌がいないなんて嫌だからね。ここにいないと安心して眠れない」

我が儘恭介の復活だ。

「……わかりました。ここにいますから、ちゃんと寝て下さい」

私がベッドの端に腰かけると、「勝手に帰らないでよ」と念押しして恭介は目を閉じる。

彼の手はまだ私の手を掴んだまま。

病気になると人恋しくなる気持ちはわかる。

恭介が寝るまではここにいよう。

私の方へ寝返りを打つ彼の頭に恐る恐る手を伸ばし、そっと撫でる。

“早く彼の風邪が治りますように。”

心の中で念じる。何度も。

熱があるせいか恭介の額には汗が滲んでいた。

後で濡れタオルで拭いてあげよう。

「それ……気持ちいい」

恭介が目を閉じたまま呟く。

まだ起きているのか……寝言なのかはわからない。
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