極上な御曹司にとろ甘に愛されています
『海外事業部はうちの花形だよ。相田さんは勤務態度は真面目だし、仕事は丁寧かつ早いし、いい戦力になると思うんだが』

部長がゆっくりと明るい口調で言うが、私は動揺せずにはいられなかった。

『……お荷物の間違えじゃないですか?』

私は青ざめた顔で自嘲気味に呟く。

英語使えないのに、海外事業部に行って何が出来るの?

『もっと喜ぶと思ったのになあ』

ハーッと部長はわざとらしく溜め息を吐く。

部長……他人事だと思ってますね。

『毎年会社で受けてるTOEIC五百くらいしか取れないんですよ。海外事業部なんて無理です。このまま総務に残ることは出来ないんですか?』

私は、すがるような目で部長を見た。
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